三里塚の教会
成田市にあるかつて、吉村順三が設計した教会がキャンドルナイトと合わせて公開されるということで、それはぜひにと見学へ。(後援:千葉大学頴原研究室)
竣工は1954年。丸太で挟んだハンチなどは、師であるレーモンドの影響が伺えます。
真壁の中にさりげなく埋め込んだ十字架。シンプルな架構で包んだ礼拝堂。祭壇の間接採光。
戦後10年経たない時代。材料も潤沢ではなかった頃でも、こうした研ぎ澄まされた建築が実現し、今も残っている。
松隈洋さんの解説、「小さな教会の大きな世界」の最後はこう括られています。
「・・こうして、時代はめぐり、地と図は反転する。この小さな教会は、内包するその大きな世界によって、現代の私たちにこれからも語りかけるだろう。戦後の日本が失ったものとは何か、人々と共に生きる建築の真実とは何か、そして、ここにこそ未来が開かれていると・・・。」
今の時代に設計をする身として背筋が伸びる思いです。
- 2024年11月23日
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